2月15日は涅槃会
2月15日は涅槃会(ねはんえ)でした
涅槃会はお釈迦様がお亡くなりになった日といわれます。実は、はっきりした日や年月は分かっていませんが、まぁ、気にしないで下さい。
日本では2月15日が一般的ですが、それぞれの国で違うようです。
お涅槃の絵を見ると、菩薩も人も動物も虫もみな悲しんでおられます。子供と一緒に、「あっ、ここにアリがいるよ」「大きなぞうもいるね」と見てくださると、楽しみながら仏さまにふれられるのではないでしょうか。
お亡くなりになる仏がなにを残されたか、感じてみてください。涅槃図と検索して下されば、出てくると思います。
寝仏(ねぼとけ)を見ました!
ある時、知り合いの青年が私に言いました。
「タイには大きな寝仏がいますよね」 ? ? ?
「ほら、こうやって腕で枕を作って・・・」 「あっ、涅槃像?」
そうです。お釈迦様がまさに今お亡くなりになる姿(涅槃に入るといいます)が、単に寝ているように見えたみたいです。けれど、彼のことばも味わい深いですね。まさに死んでいく姿が、まるで寝ているようにおおらかに、ゆったりと見えるとは。S君、君は偉い。涅槃とは、煩悩の炎が消えている状態をいうので、死ぬこととは違うんです。生死を超えた世界を君は見たんだね。涅槃仏を寝仏ともいうらしいですが、やはりこれは違うように思います。
死んだ人は北枕
今でもご遺体を安置するときに北枕を意識して、どっちが北だという方がいます。親鸞聖人も最後は頭を北に、お顔を西に(頭北面西(ずほくめんさい))念仏されていたようです。
「あっ、おれ今北枕だった、不吉な」と思うあなたは間違っています。
お釈迦様は最後、頭北面西でお亡くなりになったのです。
仏教徒ともあろうものが、北枕を不吉と言ってはいけません。死ぬことが不吉なら、あなたは必ず不吉な存在になります。死から逃げられないのですから。
この私が行き着く先は仏さまのいらっしゃる極楽浄土。ならば、お釈迦様と同じ姿で最後を迎えさせていただくのが仏教徒の望みなのです。それさえもかなわない私のために、ナモアミダブツと道を示してくださった阿弥陀仏に思いを寄せて、涅槃会を迎えたいものです。残念ながら今年はもう過ぎてしまいましたが、また、来年、お楽しみに。 願成寺 釈慈明