タゴールによせて
哲学なき政治、感性なき知性、労働なき富、この三つが国家崩壊の要因なり。インドのノーベル文学賞受賞者 タゴール
この三つがしっかり育ってきたのが、現代の日本ではないかと思います。それを他人のせいにするのではなく、私が作ってきた世界であることを自覚しなければならないとタゴールから教えられます。
哲学なき政治、言わずもがな。しかも、あちこちで散見されます。
感性なき知性、机の上の勉強ばかりを評価し、謙虚な姿勢、、思いやりの心をないがしろにした知性の行く末は。
労働なき富、汗をかいて仕事をすることはつまらないこと、いままで散々農家への悪口を言ってきたマスコミや政治家が、いまや国内自給率を上げなくてはいけないと米を作れという。生きることの苦しみを見ないふりをしてきた者に仕合わせを実感することがあるのだろろうか。
静岡大学の稲垣栄洋先生は、日本で絶滅したオオカミやカワウソの最後の一匹はどんな気持ちだったのだろうか、彼らに人間はどう映ったいたのだろうかと書かれている。
仲間のいない、たった一人で何を考えていたのかと思うと切なく悲しくなると。
最近の新聞で、アメリカ大陸に大きなラクダの先祖がいたらしいことが発表された。そのラクダの祖先も、おそらくは人間の狩りで絶滅したのだろうと想像されるそうだ。
人間はどこに行くのだろう。わたしは何を考えて死んでいくのだろう。
願わくは、希望を持って死んでいきたい。
釋 慈明