生き様が死に様になる
ZARDの坂井泉水さん、亡くなられましたね。私の世代では、あの坂井さんが・・・という驚きで、第一報を見たときは、声も出ないくらい驚きました。もともとがミステリアスな方向で売り出していたからなおさらです。しかし、それも現役大臣の自殺、という報に接して吹っ飛んでしまいましたが。
ZARDのヒット曲に「まけないで」という歌があります。軽快なテンポの歌でよかったですね。
ふとした瞬間に 視線がぶつかる
幸運(シアワセ)のときめき 覚えているでしょ
パステルカラーの季節に恋した
あの日のように 輝いてる あなたでいてね
負けないで もう少し 最後まで 走り抜けて どんなに 離れてても 心は そばにいるわ 追いかけて 遥かな夢を
大分のお医者さん田畑先生のお話の中で「生き様が死に様になる」というお話を聞きました。
健康で旅行しておいしいものを食べるのが人生では一番、という生き様をしてきた人は、病で死に行く人(実はみんなそうなのですが)にも一番いい思いをしてもらいたくて言うのです。
「負けないで、ほらそこに ゴールは近づいてる」「またおいしいもの食べましょう」と。 死を目前にしたものに、ごちそうの話をしても何の慰めにもなりません。退院したら温泉に行ってごちそうを、といわれても、苦しみは和らぐことをしりません。
いや、この歌はそんなに深刻なことを言っているのではなく、ほのかな恋愛のことですよ、ともいえます。でも、恋愛の歌でも恐いものがありますよ。
「どんなに離れてても 心はそばにいるわ」
どんなに嫌いといってもついてくる、ストーカー応援歌ではないですか!
私は決してZARDが嫌いなわけではないですから、念のため。
まぁ、難癖つければ何とでもいえるわけで、ただ気をつけていただきたいだけなのです。
勝ち負けという結果を目指していてはいのちの本当の姿には出会えないということを。
そこに至る道のりを大事にしましょう、というのが仏さまのおこころです。
一生懸命生きてください、けれど、道に迷ったときは、仏に聞いてください、勝ちも人生、負けも人生、全部飲み込んでみてはいかが、とおっしゃっているような気がします。
どのように生きていくかが、どのように死んでいくかに繋がっていく、とはなかなか味わい深いものです。