失敗より諦めの方が本当は恐い
3歳から小学校6年生まで母に連れられピアノを習っていました。音楽は嫌いではなかったのですが、ピアノだけはどうしても好きになれず、毎週水曜日にやってくるレッスンの日が苦痛でした。ピアノの先生から「発表会に出てみる?」と言われても断固として拒否し、発表会に出ないことを条件にピアノを習うことを続けていました。心の中では「発表会に出ても上手く出来ないし」と失敗する前から諦めていた私でした。
こども園の園児達を見ていると、折り紙が上手く折れない、シールをきれいに剝がしたり貼ったりできない、縄跳びが跳べないなど色々なことに挑戦して、それが自分の思うように上手くいかないと、「できなーい!」と言って投げ出したりする子がいます。
子どもたちだけでなく、私たち大人も初めから上手くいく訳ではありません。また、たとえできたとしても時間がかかったり、時には一生懸命頑張ったのに失敗することさえあります。しかし同じことを繰り返したり、失敗を重ねることで、最初は時間がかかっていたことも短時間で出来るようになったり、満足のいく結果になっていきます。
このことから知られるのは、私たちはたとえ失敗したとしても、そのことから必ず何かを学んでいるということです。たから、次にはその経験を生かして順調に成し遂げたりすることが出来たりするのです。
ところが、上手く出来ないからといってそこで諦めてしまったのでは何も次につながらないばかりか、挫折感が残るだけです。たとえ失敗しても、何度でも取り組む心を育みたいものです。
釋 唯賢