求めない
2,008年1月に書いたものです
『求めない』 すると、何かが変わる (加島祥造著)
加島さんは英米文学者。著名大学で英米文学を教授されて、今は信州の伊那谷に住まわれている齢80を越える方です。
実は私はまだこの本を読んでいません。なぜこの本のことを知るようになったかというと、京都時代に教わった先生の年賀状のお言葉からです。
『求めない』すると、何かが変わる(加島祥造著)という本に出会いました。欲望過多の世に流され、求めるように促されている自分にハッとさせられます。
「どうしようかと迷ったときは、求めないと心に言い聞かせ、口に出してみると気が楽になる」のだそうです。日々お念仏を申しつつ、本物の楽を求めたいと思います。
なるほど、確かに。うなずけます。
いつもやってもらう皿洗いを自分がしなくてはならなくなると、「何で俺がしなくちゃいけないの」とぐちが出て、相手を恨んでしまう、結局苦しみの生き方を選んでしまいます。
誰かにして貰おうなどと考えずに、自分ができるなら自分でやろう、と心を入れ替えれば、心の重荷が軽くなるようです。
「求める」ということは、結局「不満だ」という言葉の裏返しなのではないでしょうか。
「求めよ、されば救われん」という言葉を聞きますが、「求めるな」というのは、なんとも仏教的で、この厳しい言葉が心地よいです。私だけでしょうか・・・
で、「精進」です。毎度言っていますが、野菜を食べることではありません。精を出して進め、が本来です。もちろん、悪いことに精を出すのはおかしいことです。仏道に精を出して進め、です。
ですから、「求めるな」と口ずさみ、心に言い聞かせてがんばる方は、日常を仏道に変えて修行されている方です。それこそ精進といいます。だれでもできますね。