曽於市のしゃらこども園は、豊かな思いやりのある心、知的好奇心や遊び心のある保育、教育、基本的生活習慣の育成等を通してまことの保育(仏教精神に根ざした保育、教育)を目指しています。

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死が満ちている

私の周りは死で満ちあふれている。
先日、福岡の博多座で『エリザベート』を見てきました。主役は勿論、ハプスブルク家神聖ローマ帝国最後の皇后、エリザベート、そして、トート閣下。
トートとは、ドイツ語で、「死」を意味します。つまり、『エリザベート』は、「死」を愛せるかという物語なのです。
それはそうと、先日来、身の回りで悲しい出来事がありました。
園の庭に、見慣れない幼鳥が落ちていました。ペリカンのような口を持ち、足が緑色していました。ササゴイの幼鳥でした。歩くには歩くのですが、羽が折れているように見えました。どうしようもなく、親がいたらなんとかするかも、とそのままにしていましたが、猫にやられたようです。その親の死骸が園の裏に横たわっていたので、もしかしたら、こどもを助けようと猫と戦ったのかもしれません。さらに、もう一匹、木から落ちていたので、川のそばで放してみました。木の上にも、もう一匹。親がいなかったらどうなってしまうのでしょうか。
また、なぜかお寺の居住区にネズミが大発生。ねずみ取りをかけると、週に2,3匹はかかってしまいます。まだ息のあるネズミがひっついているのを見るのはとてもつらいのですが、食堂の中を走り回り、食い散らかされてはたまりません。ごめんな、といいながら死ぬのを待って捨てています。
猫の鳴き声がする、ということで、天井に入ったのですが、込み入ったところなので、仕方なく壁を壊してみると、子猫が3匹。まだへその緒がついています。
どうしたものか、と子猫を箱に移して元の場所に置いておくと、次の日にはいなくなっていました。自分では動けないので、親猫が持って行ったのでしょう。ところが、一匹だけ、家の外で鳴いています。連れて行けなかったのでしょうか。様子を見ていましたが、このままでは死んでしまいそうなので、うちの奥さんが哺乳ビンで(子猫用哺乳ビンと猫用ミルクを買ってきました)ミルクをあげました。幸運にも育てて下さる方がいて、本当に助かりました。うちには、ダイという犬がいますので。
ただ、他の二匹は無事に育てられたのか、わかりません。
さらに、猫のせいなのか、子猫がいた部屋にのみが大発生。20カ所くらい刺されて、かゆいのなんの。バルサンで根絶を目指しています。
かように、鳥、ネズミ、猫、のみ、と色々な生き物が、精一杯生きようともがき、そして死んでいくものもいます。自然は厳しいなぁと身震いがするようです。たすけようと思ってもどうにもできないので、見て見ぬ振りをしようと思うのですが、見てしまったらおしまいです。心に重いものが乗っかってくるようです。
生きることは不条理で、死ぬことも不条理に思えます。不条理と思うことが、そもそもなんなんでしょうが、きついですね。
自分で殺しておいてなんですが、ネズミはネズミなりに精一杯生きようと頑張っていました。それが私の迷惑になってしまったのですが。鳥でも猫でもノミでも同じです。その生き物なりに精一杯生きようと頑張ったことは忘れないようにと思っています。
さて、私はというと、力一杯ぶつかることもなく、生きているのやら死んでいるのやら、こういうことではいかん、と反省しています。くそー、くやしい、という気持ちです。鳥にも猫にもネズミにもノミにも気迫で負けている。

釈 慈明

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